啓蒙の世紀と文明観 (世界史リブレット)



啓蒙の世紀と文明観 (世界史リブレット)
啓蒙の世紀と文明観 (世界史リブレット)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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啓蒙主義研究のおもしろさがわかる

啓蒙主義をわかりやすく論じ、かつジェンダーや「人種」の視点を組み込んだ邦語文献はなかなかない。ふんだんに掲載されている図像史料も興味深い。これらの中には、はじめて日本で公開されたものもあるのではないか。90ページほどのコンパクトな本だが、18世紀ヨーロッパにおける「他者」へのまなざしについて深く考えさせられる。それにしても、啓蒙主義に対する本書の批判的スタンスが心地良いのは、わたしたちが「非ヨーロッパ人」の側にいるからだろうか。
概説書としては良心的

 啓蒙の時代とされる18世紀。知識と自由が広がり、人間の権利が大幅に拡大した時代とされる。しかし、すべての人間が啓蒙の恩恵を受けたわけではなかった。非ヨーロッパ人、女性など、啓蒙の外側に置かれた存在も少なくなかった。彼らは啓蒙されたヨーロッパ人男性と対比されるべき立場に追いやられていたのである。本書はヨーロッパが非ヨーロッパに向けた視線を明らかにすることで、啓蒙の内実を問い直した著作ということになる。
 しかし、内容は従来の説をまとめただけで、目新しい箇所はほとんど見当たらない。啓蒙の欺瞞を突くという点でも、底の浅いものに終わっている。
 よくまとまっているので概説書として読むのには便利だろう。



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